大学の卒業旅行でアメリカを縦断したことがある。
当時スノーボーディングに熱中していた中学校の野球部の同級生と貨物用のバンをロサンゼルスで借り、ラスベガス、ソルトレイクシティー、ミズーラ(モンタナ州)、シアトルを2週間ぐらいかけてまわった。
スノーボードに行き、山から降りるとレンタカーが駐車違反でレッカーされて消えていたり、同じ日にスピード違反切符を来られるなど、就職を間近に控えた学生にとってはちょっとした冒険だった。
サーフィンは、この旅でハマったスノーボーディングの延長で、冬以外の季節を過ごすための遊びのつもりだった。
社会人になってもらった初ボーナスを握りしめ、意気揚々と地元のサーフショップに行くもどうしても欲しかったロングボードを売ってもらえず、仕方なく行った先のムラサキスポーツで、よくわからないまま店員一押しのロングボード「マメ増田シェイプモデル」を購入することになった。
それからしばらくして、マメ増田シェイプのロングボードにようやく乗れるようになった頃、Surf 60s’ sytleというサーフィン雑誌に載っていた「Dale Velzy & Hap Jacobs」のバルサ製のサーフボードを知った。
この雑誌は、当時一緒に波乗りに良く行った近所の後輩「三島秀成君」に貸し出した後、数年間行方不明となり、ある日同じ地区の廃品回収(雑誌や古新聞を回収するイベント)でレモンノートというエロ本にサンドイッチされた状態で、運命的な再会を果たすこととなる。
木製サーフボードとの出会いはこんな具合にドラマチックだったのである。

正直日本海の波には合ってなかったと思う。

これを超えるサーフィン雑誌はなかなかない。

Donald Takayama “DT”バルサモデル