いやはや。前回のアライアの投稿から一ヶ月も経ってしまった。
今回は、私の人生を大きく変えることになった木製サーフボードづくりの師匠である「Paul Jensen」さんの記事ということもあり、ついつい気が張ってしまい気がつけば時間ばかり過ぎていく有様だ。
結局アライアは、その後10年越しにトライしてみたが、これが想像した以上に難しく立つことができないばかりか、腹ばいのプローンスタイルでもあまり波に乗れなかった。
体重がまだオーバーなのか、まだまだ技術が足りないのか。
もっと走り込む必要がありそうです。
思えば10年前も、アライアはやはり無理という気持ちになった。
そこで、やはりしっかりと波乗りができる木製サーフボードが作りたいということで、あれこれとインターネットで調べた結果、2人の人物に辿り着いた。
一人目はhollowsurfboards.comのPaul Jensenさん、もうひとりはwoodsurfboardplans.com/のJack Youngさん。
両人とも、当時から中空工法で木製サーフボードを作っており、その工程について詳しく解説するマニュアルを販売していた。
調べると、Paulさんのマニュアルは100ドル、Jackさんのマニュアルは50ドル。
購入前の下調べの段階ではJackさんのマニュアルのほうが安いし、情報が整理されていてわかりやすそう。
一方、Paulさんは人物的に面白いそうだが、マニュアルを紐解くのは難しそう。だけどマニュアルの値段は倍もする。
悩んだ末、二人に問い合わせをしてみることにした。
木製サーフボードづくりに興味があるが、2つのマニュアルがあり、どちらを買おうか迷っていることを正直に聞いてみることにした。
その返答は対照的だった。
Paulさんからの返事を要約すると、「俺のマニュアルのほうが良い。100ドルの価値はある。(You get what you pay for…)」という自信満々の内容。
一方Jackさんは、「Paul Jensen氏のマニュアルの中身は知らないため、比較することできない。でもPaulさんは良い木製サーフボードを作ることは知っている。どっちのマニュアルを買っても、良いボードができるよ」というとても紳士的な対応。
普通に考えれば、Jackさんのマニュアルを買うところなんだが、この時は第六感が働き、気がついたらhollowsurfboards.comにある100ドルのPaypalボタンを押していた。
正確にいうと、E-mailの最後の一文のYou get what you pay for…の自信満々な感じに、ややや、これはもしかして100ドル以上の価値があるかもと思った。
それから程なくして、Paulさんの木製サーフボードづくりマニュアル「HOW-TO」が郵送で届いた。
しかし、その圧倒的な情報量と整理されてないコンテンツに、You get what you pay forの期待はあっさりと裏切られ、さらに慣れないインチ表記に頭がますます混乱し、木製サーフボードづくりは開始早々にして暗礁に乗り上げてしまった。
そして半年ぐらいがたった頃。
Paulさんのホームページで2010年に木製サーフボード自作教室の開催する計画があり、その候補地の一つとして日本を検討していること知った。
このページ見た瞬間、居ても立っても居られない気持ちになり、再びPaulさんにメールを書いた。
そして、是非日本に来て欲しい、教室開催のお手伝いをさせて欲しいと伝えた。
数日後にPaulさんから前向きに検討してくれるというE-mailの返信があり、その返信の宛先のCCには、nobbywoodsurfboardsのNobbyさんが入っていた。
そして、その翌日には、Nobbyさんからも日本での木製サーフボード自作教室の開催を支援する旨のE-mailが届き、岩礁に乗り上げた船が再び動き始めた。